題名(著者、出版社、税抜き価格、冊数)
三国志(著:陳寿、注:裴松之、中華書局、魏書3冊、蜀書・呉書各1冊、計30.80元)
『三国志』の原文です。中国で出版されているので返り点なんてあるわけないです。
ただ、句読点やかぎかっこはついてるし、固有名詞には傍線が引いてあるので結構読みやすいと思います。この種類の本(黄緑色の本)には史書が『史記』からいろいろ揃っているので、興味のある人は探してみよう。近くに中国書店がない人はインターネットで「洋書」を検索してみてください。
値段は5000円ぐらいでした。店によって変動があるかも。
三国志(著:陳寿、注:裴松之、訳:今鷹真・井波律子・小南一郎、ちくま学芸文庫、各1500円、全8冊)
ハードカバーで3冊出ているものの文庫版です。文庫は軽いのでいいです。
言わずと知れた三国志の全訳。今のところ三国志の全訳はこれしかないと思うので持っていてもいいと思う。かなり詳細な官職表、年表あり。地図も所々にあります。
特記すべきは人名索引でしょう。三国時代だけでなく古代の人名まで載っているので、三国時代の古代人物評をめくってみるのも面白いかも。
正史三国志英傑伝(編訳:『中国の思想』刊行委員会、徳間書店、全4巻、各2427円)
正史『三国志』の中から主要な人物を選んで原文、書き下し文とともに抄訳を載せたもの。
抄訳とはいっても読んで面白くないところを省いている程度なので、分かりやすく面白く読めるようになってます。(全訳の人もいる・・・楽進とか黄忠とか)もちろん裴注も載せてます(ただしこちらは原文なし)。
とりあえず正史に触れてみたい・・・けどちくまの全訳なんて読めん!と思っている人にお勧め。私もこの本で正史の世界に入りました。
別巻『三国志全人名事典』はこちら。
三国演義(羅貫中、上海古籍出版社、11.50元)
言わずと知れた通称『演義』。清の毛宗崗が改訂した全120回の『三国演義』が底本となっています。句読点、かぎかっこつき。ちなみに簡体字で書かれているので、読めない字もあるかもしれません。そういうときは中日辞典をチェック!
ちなみにこれは中国旅行に行った友達からおみやげにもらいました。
完訳 三国志(著:羅貫中、訳:小川環樹、金田純一郎、岩波文庫、全8冊)
『三国演義』の全訳。文体はちょっと古めのような気がするけど、挿し絵が江戸時代に出された『絵本通俗三国志』の葛飾戴斗で、なかなか渋いです(顔ちょっと怖いかも^^;)
『演義』の全訳もいろいろなのが出ているので、自分の好みで買いましょう。そういえば陳寿を毛嫌いしている人がいて、後書きでコテンパンに書いてる本がありましたよ(あえて書名は伏せる)・・。本人がどう思うかは自由だけど、あれ読んで鵜呑みにする人だっているのに、どうするんだよ(怒)
捜神記(著:干宝、訳:竹田晃、平凡社ライブラリー、1600円)
魏の頃からできた志怪小説と言われるジャンルの小説で、諸々の不思議な話を集めています。ちなみに作者の干宝は晋代の人です。三国時代がメインではないのですが、三国時代の人物も多数登場してます。ひとつひとつの話は短いので、わりとすんなり読めます。
三国志 人物事典(監修:小出文彦、新紀元社、1900円)
三国志に出てくる約500人を、『三国志』正史を中心に載せた本。『演義』の記述などもあります。主要人物にはパラメータが付いてます(こちらは正史と『演義』の折衷)。巻末の参考資料もけっこうあるので参考になるかも。『演義』は一応読んだし、次は正史につっこんでみようと思っている人にお勧め。
三国志人物事典(渡辺精一、講談社、3398円)
『三国演義』に出てくる登場人物を網羅した人物事典。誰が何回目(毛宗崗本の回数)にどんなことをしたかが一発で分かる便利もの。字だけ(「伯言」とか)で検索もできます。ちょっと出てきただけの和洽とか太史慈の母まで載ってます。
三國志II武将FILE(編:シブサワ・コウ、光栄、1553円)
『三國志2』に登場する武将をパラメータとともにプロフィールを紹介した本。
これは『演義』準拠。コラムでは初心者のための正史の読み方があります。
三國志III武将FILE(編:シブサワ・コウ、光栄、1806円)
『三國志3』に登場する武将をパラメータとともにプロフィールを紹介した本。
これは正史準拠。でも何故か人物見出しは『演義』準拠。統一しないと・・。コラムは官職制度について。正子公也氏のイラスト入り。
三國志IV武将FILE(編:シブサワ・コウ、光栄、2136円)
『三國志4』に登場する武将をパラメータとともにプロフィールを紹介した本。
基本は『演義』準拠。なお、正史からのフォローあり。今回も正子公也氏のイラストが入ってます。本文の人物カットは劉生展氏の『三国志人物絵巻』より。
三國志V武将FILE(編著:實吉達郎、光栄、1748円)
『三國志5』に登場する武将をパラメータとともにプロフィールを紹介した本。
今回は珍しく個人の著。『演義』準拠のようです。結構著者の思い入れが入っているので、人物によって書き方にかなり差があります。あくの強い本?
自分が好きなある武将の描かれ方があまりにもひどくて、売ろうと思っても、別の好きな武将は良く描かれているから、売るに売れません。複雑です。
三國志VI武将FILE(編:シブサワ・コウ、コーエー、2000円)
『三國志6』に登場する武将をパラメータとともにプロフィールを紹介した本。
『演義』と正史のエピソードを載せています。三英傑の家庭についてのコラムあり。
劉生展氏の『三国志人物絵巻』が今度はカラーで入ってます。
資料としてはコンパクトで便利かも。
爆笑三國志人名事典(編:シブサワ・コウ、光栄、1000円)
おなじみ(?)爆笑三國志シリーズのノリで書かれた人物事典。417人収録。
正史のフォローもときどき入ってるけどほぼ『演義』準拠。「歴史をナナメ読み」がモットーの文章もさることながら、唐沢なをき氏のイラストがイカス。
三国志全人名事典(編著:『中国の思想』刊行委員会、徳間書店、3398円)
『正史三国志英傑伝』の別巻。正史『三国志』に出てくる3734人の事績を網羅したもの。
目的の人物を概略的に調べるのに役立ちます。
官爵の解説や年表もあって、持ってると便利。これさえあれば正史はばっちり・・かな?
三國志4事典(監修:シブサワ・コウ、コーエー、1942円)
三國志シリーズフリークにはおなじみ(?)、『三國志4』に出てくる武将、地名、果てはセリフまで面白く、時にまじめに解説した、マニア必見の著。ゲームを持ってなくても楽しめるかも。
巻末の総登場武将ランキングははっきり言ってすごすぎる。
三國志5事典(監修:シブサワ・コウ、コーエー、1456円)
今までのゲームディクショナリーシリーズとは様相を異にする。
『三國志5』のシナリオや武将の能力等のゲームシステム、人物などのキーワードに沿って見開き1ページで解説しているので、かえってまとまりがあって分かりやすいかも。ページ下の武将グラフィックについているプチ解説もなにげなく笑える。
巻末の中国語ローマ字及び中文対応表は便利。総合ランキングもあり。
#158ページにひそかに間違いがあります。誰も気にしないだろうけど・・。
三國志6事典(監修:シブサワ・コウ、コーエー、2000円)
こちらは三國志3や4同様、人名、地名、故事成語などを解説した本。
やはりつっこみを交えた軽妙な文章が売りだが、『三國志4事典』と比べるとややパワーダウンの感は否めないか?いえ、決して某将軍の記述が気にくわないからと言うわけでは・・・と思って比べてみたら、やはり『三國志4事典』の方が文字を詰めて書かれていた・・・。
巻末には正史を元にしたコンパクトな年表あり。
三国志人物鑑定事典(渡辺精一、学習研究社、2800円)
これは「事典系」に入れようかどうか迷ったんですが・・。
三国志の主要人物を、正史『三国志』、『演義』、その他後世の人の評を見ることによって解読した本。いろんな人からの人物評により、その人物が見えてくるようです。著者の深読みも、信じるかどうかは別にして、なかなか興味深いです。巻末に索引もあり。