ビジュアル系

三国志百態(川本喜八郎、ぱるぷ、14000円ぐらい)

人形劇三国志の人形達を載せた本。値段が張るだけあって、今にも動き出しそうな人形は圧巻です。カラーページも多く、説明も載ってます。
ただ、当たり前だけど説明は完全に『演義』準拠なので特に魏の特定武将のファンの方は覚悟して読むように。曹一族のあの人や五大将のあの人の項目、泣けますよ。


三国志武将画伝(画:中村亮、伝:瀬戸龍哉、美術監修:何宝通、監修:立間祥介、小学館、1748円)

三国志に出てくる主要な人物を文章とイラストで紹介した本。カラーも多く、ビジュアル的には結構見もの。ただし、武将の格好は『演義』を基にしたものなので、三国時代のものではないはず。
基本的に『演義』準拠。ただし、人物伝本文は正史と『演義』等ごちゃまぜになっているところもあるので、参考資料とするにはちょっと不安あり。三国志をある程度知った人向け。一騎討ち戦歴、従軍や献策一覧、系図などもついてて便利。(こちらはもちろん『演義』準拠です。ただし官職は正史版)


中国歴史地図帳第三冊 三国・西晋時期(主編:譚其驤、地図出版社、4.65元)

確か各時代ごとに7〜8冊あるものの1つ。各州ごとに見開きで地図になっていて、州都、郡、県の各町が細かく載ってます。さらに現在の都市まで載っていて見にくいけど便利。この地図、なんか1つ1つ外せるように製本されているような気がするんですが・・・。三国志用に使うんなら第二冊(西漢・東漢だったかな?)も必要かも。
私が買ったときは1600円ぐらいでした。


龍闘野(画:正子公也、3800円)

光栄の三國志にハンドブックを買うほどハマった人にはおなじみ、絵巻作家の正子氏の画集。武将たち、艶っぽくてかっこいいです。細長コマ割り構成になってる絵も良い。あと、楚漢の絵もあります。ちなみにこの人の本では、108+1人の好漢を一人ずつ描く『絵巻水滸伝』(グラフィック社)がさらにおすすめ。


鄭問画集―鄭問之三国誌(画:鄭問、角川書店、5000円)

ゲーム『鄭問之三国誌』(私はゲームはしてないけど)の画集です。台湾の漫画家、鄭問氏が独特の筆使いで描く三国志の武将たち。キャラクターデザインに意表をついてる人物も多いです。人物画は水彩で、特に立ち姿の人物の、流れある筆運びが素敵。蜀が微妙に多め。巻末にはインタビューや技法が載ってます。ちなみに、解説やインタビューなどは日中英三か国語で書かれています。個人的にはおすすめマークつけたいけど、好み分かれるかもしれないと思ったので・・・。


コミック

蒼天航路(王欣太、原案:李學仁、講談社、モーニングKC、1〜27)

おなじみ(?)曹操が主人公のマンガ。絵もすごいし、ストーリーもぶっ飛んでいる割にはちゃんと正史ベースになってるし、かなりおすすめ本。どの人物も魅力的で楽しいです。特に劉備。変に君子じゃないし、好きですねえ。見直したよ。曹操も、万能過ぎてちょっとなんだけど突拍子で面白いので許す。(でもこの曹操にゃ軍師いらないよ、はっきり言って)万能すぎても許せるのは、誰に対しても感情を思い切りぶつけるからじゃないかな?


龍狼伝(山原義人、講談社)

知る人ぞ知るトンデモ本(?)。日中ハーフの男の子とその幼なじみの女の子が三国志の世界にタイムスリップして活躍する話。この本好き嫌い多いみたいですねえ。でも、「タイムスリップして言葉通じるわけない」とか「設定に無理がある」とか堅いこと言ってるとマンガは楽しくないよなーと思うのは私だけでしょうか。
話は蜀中心。そのせいか何故か設定は『演義』より。というわけでその辺を考えて魏のファンの方は覚悟してください。司馬懿(仲達)は・・色物系がだめな人はご遠慮ください。(て言うかあれは別人だって)ストーリー自体はわりとよいです。絵も結構きれい。三国志ものと思わずに読めばいいんじゃないかな。
「この話はフィクションです(以下略)」というおなじみのテロップがあるのはイカス。主人公が人間離れしてるせいもあるけど、諸葛亮が普通っぽくて好きです。
最近のストーリーは三国志から離れまくっているようなので、読んでません(^^;)


STOP劉備くん!(白井恵理子、角川書店、あすかコミックス、1〜3)

題名の通り劉備が一応主役のギャグ4コママンガ。『龍狼伝』と同じくある本ではボロクソに言われていたけど、同人に片足つっこんでいる私にとってはこういうしょうもないところが好きです。キャラベースは主に人形劇。作者は諸葛亮が好きなので彼の扱いはいいです(?)。『演義』の周瑜が好きな人にもお勧め。あと、江森三国志ネタもあり。男性が読むのは恥ずかしい雑誌に載っていますが、こっちはそういうネタはありません。


三国志(原作:寺島優、構成:小島利明、作画:李志清、スコラ、全10冊)

『演義』準拠のマンガ。第1部(全10冊)は三顧の礼まで。第2部でいきなり諸葛亮が主役になって、魏の武将の描かれ方がぞんざいになったのに興ざめして、集めるのをやめてしまったという筆者にとっていわくつきの本。
今はもう手元にないので詳しいことは忘れたけど、ストーリーは至って普通。
そういえばこれも『龍狼伝』『STOP劉備くん!』といっしょにやり玉に挙げられていたなあ。
関係ないけど、統が「鳳統」になってなかった?「鳳雛」だからと言って、外字だからと言って、えらい誤植・・・。表紙でこの間違い、まさか本編にわたってまで・・?それともわざと?


四コマ三国志(著:文化伝信有限公司・他、編:コミックバーズ、スコラ、660円)

大陸の人たちが描いた三国志の4コマ。あまり評判は宜しくないです。
え、筆者はどう思うかって?うーん、ネタ的にあんまし好みじゃない・・かも・・。(遠慮がち)
(日本の)同人誌紹介もあります。


我王の乱(原作:河辺優、劇画:山口正人、日本文芸社)

劉備を主人公にした、どちらかというと正史寄りの劇画ちっくな三国志。
絵柄があまり好みでないので自分で持ってはいないけど、ストーリー的には今のところ良さげ。なんと言ってもアニキな劉備がかっこいい。いいひとすぎる劉備ってあまり好きじゃないもので、あれぐらい奔放な方がいいです。なにげに曹操が小さくて切れ者なのも見逃せないです。あと、ワイルドな孫堅とか・・。
最近読んでないので展開がどうなってるか不明・・・。


攻略本

三國志2ハンドブック(編:シブサワ・コウ、光栄、1806円)

この頃はまだ普通の説明調の解説。項羽が生まれ変わったという設定で夏侯嬰の末裔曹操や劉一族を倒しまくるというリプレイ記があります。巻末には正史準拠の紹介がついた登場武将一覧があります。


三國志4ハンドブック(編:シブサワ・コウ、光栄、1942円)

もうおなじみになった登場武将によるゲームの進め方指南に、君主の勢力タイプ別座談会やQ&Aもあって楽しい。劉禅のしゃべりがおじゃる調なのが可笑しい。正子公也氏による「孔明出廬」をはじめとした人物画も華を添えてます。巻末には総合ランキングベスト59もあり。


ポータル三国志公式ハンドブック(著:スザク・ゲームズ、ホビー・ジャパン、952円)

アメリカのトレーディングカードゲーム"Magic:The Gathering"の入門者用”ポータル”の三国志バージョン(日本語版)を解説した本。リプレイに、全カードリストとその解説がオールカラーで載ってます。「トレーディングカードなんて手に入れられないよ」と言う人はこれを見て(筆者がそうです^^;)雰囲気を楽しむもよし。
どうでもいいけど、曹仁を表紙にした三国志ものなんて、この本ぐらいなんだろうね。


バラエティ・その他

三国志新聞(編:三国志新聞編纂委員会、日本文芸社、1262円)

三国時代を年ごとに新聞記事にしてしまった本。挿入してある写真は実写ドラマの『三国演義』だったりしてはまってます。合間の4コマも何となくおかしい(好みは分かれるかも・・)。基本的に正史準拠なので、正史本文ではわかりにくい時間の推移をつかむのに便利。
値段の割に中身が濃いのでお薦めの一冊です。


爆笑三國志(編:シブサワ・コウ、光栄、971円、1〜6)

知る人ぞ知る「赤本」。三国志をおもしろおかしく紹介した本。ベースは主に『演義』(3だけ正史ベース)。イラストもバラエティーに富んでてなかなかいいです。どちらかというと「三国志なんて難しそう」と言っている初心者にお勧め。でも、これを最初に読んだのに呉ファンの私はやっぱりおかしいんでしょうか。どうでもいいけど、この本、巻が進むごとにネタ切れで苦しそう(苦笑)。


三國志グラフィティ(編:シブサワ・コウ、光栄、2136円)

光栄ゲームの2枚看板のひとつ(?)『三國志』誕生10周年記念として出された本。シリーズ1〜5までを振り返り、主要人物やゲームシステムの紹介などしています。
正子公也氏のイラスト、横山光輝氏など三国志関係者のインタビューなど、なかなか凝縮された内容となってます。『三國志』ゲーマーにはお買い得かも。


三国志解体新書(編:歴史ファンワールド編集部、光栄、1300円)

おもに『演義』の内容をコンパクトにまとめた本。話のダイジェスト、簡略な人物伝を載せてあり、『演義』の大まかな内容が分かるようになってます。正史の記述にも少しだけ触れています。とくにこれから『三国志』の世界に入ろうとする人向け。『演義』を読んでいる人の副読本としても。正史を読んでからこれを読むのは、はっきり言って感情的につらいです。


三国志 きらめく群像(高島俊男、ちくま文庫、924円)

大修館書店からでていた『三国志 人物縦横談』を文庫化したもの。正史の主要人物を軽いタッチで語っています。まだ正史を読んでなくて蜀ファンの方は「なんじゃこりゃー!」と思うかもしれませんが、各勢力のことをバランスよく書いていて、内容もしっかりしているので正史入門にお薦めの一冊。巻末の年号対応表と人名索引が便利。


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